さつまいもをいただいたとき、どこにしまっていますか。
冷蔵庫に入れてはいけません。
これは、神奈川県愛川町で自然栽培をされている菊子自然農園の菊子さんに教わった話です。畑を訪ねたとき、私自身が「自宅で50kgほど保管したいのですが」と相談して、返ってきた答えでした。
10℃以下で、芋は傷みます
さつまいもは、もともと暖かい土地の作物です。10℃を下回ると低温障害を起こします。
家庭用の冷蔵庫の野菜室は、だいたい3〜8℃。さつまいもにとっては寒すぎます。
では何℃がいいのか。13〜15℃くらいが理想だとされています。
ただし、温度より大事なことがあります
菊子さんは、こんな失敗談を話してくださいました。
「本に15℃がいいと書いてあったので、エアコンを15℃に設定して、部屋を閉め切って保管したんです。そうしたら、1週間でカビが生えました」
原因は結露でした。
温度を正確に保とうとして閉め切ると、湿気が逃げません。さつまいもの保存は、温度より風通しのほうが大事なのです。
密閉してはいけません
ここから導かれる結論があります。
- 発泡スチロールの箱に入れて密閉する → 蒸れます
- ビニール袋の口を縛る → 蒸れます
- 穴の開いた袋(栗が入っているようなネット) → これが正解
さつまいもは、保存中も呼吸をして水分を出します。その水分が抜けていく必要があるのです。

いちばん良い置き場所は、リビングです
意外に思われるかもしれませんが、菊子さんの答えは明快でした。
「人が生活している部屋がいちばんいいんですよ。寒すぎず、暑すぎず、風も通る。私はそれで1年持たせています」
特別な設備は要りません。玄関や廊下のような寒い場所、密閉された物置、そして冷蔵庫を避ける。新聞紙にくるんで、風の通る場所に置いておけば十分です。
家庭での保存、まとめ
- 冷蔵庫に入れない(10℃以下で傷む)
- 密閉しない(蒸れてカビる)
- 新聞紙にくるんで、風の通る室内に置く
- 直射日光は避ける(芽が出やすくなります)
実は、日持ちは「保管する前」で決まります
菊子さんの話でいちばん驚いたのが、ここでした。
「収穫する日の前日が晴れていないとだめなんです。雨だと土が濡れていて、芋が水を持ってしまう。それを十分に乾かさないまま持ってくると、日持ちしません」
収穫したあとの乾かし方も、天気を見ながら調整するそうです。暑い日は短時間、風があって曇っている日は長めに。
ビニールハウスに長く置きすぎると、今度は高温で芋が火傷して、そこから菌が入る。
「本を読んだとおりにやれば、うまくいくわけじゃないんですよ。自分でやりながら、天気を見ながら覚えるしかない」
2026年の秋は長雨が続きました。全国的にさつまいもの出来が難しい年です。いま店頭に並んでいる芋は、そういう天気のなかで、農家さんが日を選んで掘ってくださったものだということになります。
焼いたあとの保存について
最後に、当店の冷やし焼き芋の保存方法もお伝えしておきます。
- 冷蔵(10℃以下)で、パッケージに記載の期限内にお召し上がりください
- 長く楽しみたい場合は冷凍保存がおすすめです
- 冷凍したものは、冷蔵庫でゆっくり解凍すると味の落ち方が少なく済みます
- 冷やしたまま召し上がると、でんぷんが締まって芋ようかんのような口あたりになります
焼く前の生の芋は冷蔵庫NG、焼いたあとは冷蔵。ここだけ、逆になります。



